状態:NGC-AU Strike4/5,Surface4/5(XF/極美)
このコインはユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)が、独裁的な地位を築きつつあったBC48年から49年にかけ発行された銀貨デナリウスです。カエサルはBC44年に暗殺されるまで数種のデナリウスを発行しましたが、おそらくこの銘柄は最初期のものだと思います。オモテの図柄はヘビを踏みつける象、ウラには儀式に使われた陶製のヒシャク、散水記器、斧、帽子です。なお、この銘柄はカエサル率いる軍団が、北イタリアを進軍するなかで発行されたと考えられています。発行されたコインは、彼の兵士にその場で与えられたようです。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラともグレー系の銀色で、角度を変えて見ると鈍い輝きを見せます。オモテはヘビを踏みつける象で、象の足元にはCaesar(カエサル=シーザー)の文字が刻印されており、最初の一文字Cが少し弱打ちではありますが6つの文字は切れずに収まっています。象は少し摩耗していますが、この銘柄にしては状態が良いです。ウラは執政官としての権威を表すデザインで、儀式に使われる4種の道具が描かれています。
なおNGCよる本銘柄は2700枚ほど鑑定されており、内訳は以下の通りです。
Gem MS:1枚
Ch MS:5枚
MS:79枚
Ch AU:272枚
AU:445枚 ←ココです(上位30%以内)
Ch XF:452枚
XF以下:1,449枚
したがって本貨は2703枚のうち、上位802枚(29.7%)に入る高鑑定コインです。
この銘柄はカエサルが発行した銀貨として人気があり、状態の良いものはオークションでも高値を付けます。店主は何度かこの銘柄にチャレンジしてきましたが、やっと入手できました。なお今年(2023年)4月に国内で開かれたオークションで、この銘柄のNGC-AU Strike5/5,Surface5/5が出品され、総支払額ベース約69万円で落札されています。直径18ミリほどの小型の銀貨ですが、カエサルがその陣中で発行したといわれる人気の銀貨です。
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