このコインの注目すべき点は鋳造数の少なさです。全年号合わせても9万枚ほどと通常貨にしては異例の少なさです。また年号によっては1958年(101枚)、1952年(126枚)、1953年(498枚)など希少な年号もあり、そのような点でも収集意欲をそそられます。なお少し長くなりますが、年号別の発行枚数は以下の通りです。
1950年:1,176枚
1951年:8,241枚
1952年:126枚
1953年:498枚
1954年:1,808枚
1955年:901枚
1956年:1,159枚
1957年:550枚
1958年:101枚
1959年:4,710枚
1960年:2,207枚
1961年:6,982枚 ←コレです
1962年:9,678枚
1963年:7,342枚
1964年:11,000枚
1965年:23,000枚
1966年:3,409枚
1967年:6,431枚
1968年:540枚
1969年:540枚
1970年:425枚
本年銘(1961年=店主と同い年)は上記のように6,982枚発行されており、「並年号」といってよいでしょう。なおNGC社が過去151枚鑑定しており、鑑定分布は以下の通りです。
MS68:1枚
MS67:13枚
MS66:50枚 ←ココです
MS65:40枚
MS64:28枚
MS63以下:19枚(5枚の数字なしDetails鑑定を含む)
ペルー100ソルは時代が新しいこともあり、状態の良いコインが多く残っています。本貨はMS66ですから真ん中より少し上あたりです。
さてこのコインについてです。
本貨は拡大写真でお分かりのように、ウラ/オモテともヘアラインや目立ったキズ、流通痕もなく輝きも美しいです。また、この銘柄の重要なポイントである女神の顔もきれいで、本銘柄MS66のなかでは状態は良いほうだといっていいでしょう。あえて一つだけ欠点を挙げるとすれば、オモテ面の2時のフィールド部分にあるバッグマークです。バッグマークは、出来上がったコインを袋詰めし、輸送する際にコイン同士がぶつかることによってできる細かいキズです。本貨のバッグマークは目立つキズではありませんが、角度を変えてみるとわずかに見えてきます(1~3枚目の写真でご確認ください)。これがなければMS66を超える評価になったかもしれません。
ペルー100ソルは最近の金価格上昇や、この銘柄の割安感に注目したカイなどによって、オークション落札相場もじり高傾向にあります。特に今年(2023年)半ば以降の相場上昇は顕著で、オークションの落札相場も上昇中です。
直近のオークション価格は以下の通りです。特に先月開かれた銀座コインオークションの結果は驚きで、本貨と同年銘(1961年銘)のNGC-MS64が、総支払額ベース約209万円で落札されました。
◆オークションワールド(2023年10月)
・1963年銘/7,342枚/NGC-MS65→70万円(落札者の総支払額ベースで77.7万円)
・1965年銘/23,000枚/NGC-MS66→110万円(落札者の総支払額ベースで122.1万円)
◆銀座コインオーク(2023年11月)
・1961年銘/6,982枚/NGC-MS64→180万円(落札者の総支払額ベースで209.7万円)
まだ現代コインから脱し切れていない銘柄ではありますが、発行枚数の少なさやデザインの美しさという点で、相場上昇の要件を満たしています。
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