状態:NGC-MS64(UNC+/未使用+)
当時の北インドは、「デリー・スルタン朝」と呼ばれるイスラム王朝の支配下にありましたが、同朝の弱体化に伴い、北インドの属州はたびたび独自の通貨を発行しました。本貨が発行されたグジャラードもそんな属州の一つで、スルタンと呼ばれる領主によって統治されていました(「グジャラート・スルタン朝」)。この金貨(Tanka)はグジャラートのスルタンであったマフムード・シャー3世統治下(1537-1553年)の1547年に発行されたものです。グジャラートのコインの大半は銅貨と銀貨ですが、稀に本科のような金貨も発行されています。
さてこのコインンついてです。
ご覧のようにオモテ/ウラとも輝きが素晴らしく、まるで打ちたてのようです。摩耗やキズもほとんど見当たらずかなりの高状態です。フリードバーグ・カタログにはマフムード・シャー3世のタンカは一種のみ掲載(注)されていますが、本貨とは別のコインです。
注)カタログ価格はVF-EFクラスで1400ドルとなっています
なおNGC社はこの銘柄を2枚のみ鑑定していますが、2枚ともMS64です。グジャラートのタンカは希少で、NGC社の鑑定数は全銘柄合わせて13枚にすぎません、さらに範囲を広げすべての属州で発行されたタンカまで広げても鑑定数は76枚しかありません。
私たち日本人からみれば刻印されている文字も分かりませんし、歴史にもさほどなじみはありません。でもインドの人たちには別の景色が見えているのではないでしょうか。近年アジアのコインは全般的に値が上がってきましたが、なかでも「ときいろ」はインドの金貨に注目しています。人口増と富裕化が同時に進みつつあるインドは、中国に続いて有望なコイン市場に成長するのではないでしょうか。近年インドのコインの値上がりは顕著で、先週(2023年7月)国内で開かれたオークションで、クシャン朝・カニシカ王時代のディナール(金貨)が出品され、総支払額ベース111万円で落札されています、状態はEFとマズマズでしたが、未鑑定のハダカのコインでした。
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