・1910年:2,013枚
・1912年:4,946枚
・1926年:40枚
・1927年:30枚
上記のように本貨1912年銘は最も多く作られましたが、それ以外の3年銘は市場に出てくることはまれで、事実上「豊穣の女神」といえば1912年銘といってよいでしょう。
ヴィットリオ・エマニュエル3世時代に発行された大型金貨としては、1925年に発行された100リレ(「治世25周年記念」)と双璧をなす人気のコインで、オモテ面はご本人の肖像、ウラには「豊穣の女神」が描かれています。近年は1908年発行にオーストリアで発行された100コロナ(「雲上の女神」)や、1950年から1971年にかけペルーで発行された100ソル(「女神座像」)のように、女神が描かれた大型金貨の人気が高まっており、本貨も人気上昇中です。
さてこのコインについてです。
この銘柄はオモテ面にスレやキズ、変色などが多い銘柄で、特に隆起したビットリオのホホのあたりに変色やスレがよく見られますし、同じく顔の前あたりのフィールド部分もスレやキズが付きやすい銘柄です。本貨も多少ビットリオのホホのあたりにスレが見えます(拡大写真でご確認ください)が、この銘柄にしては軽微です。ウラも状態はよくスレ、キズ、ヘアラインなど大きな欠点はありません。輝きもよく残っておりウラ/オモテともマット状の落ち着いた輝きをとどめています、また摩耗もほとんど見られません。概してこの銘柄にしては高状態です。
なおPCGSよるこの銘柄の鑑定枚数は168枚ですが、分布は以下の通りです。
MS66:1枚
MS65:2枚
MS64:8枚
MS63:84枚 ←ココです
MS62:65枚
MS61:8枚
注)数字なしDetail鑑定を除く
一応NGC社の鑑定も見ておきますと、総鑑定数238枚(数字なしDetail鑑定23枚を含む)のうち、MS63は上位59枚に入ります。
ここのところヨーロッパの金貨は全般的に値上がりしていますが、この銘柄も同様です。近いところでは先日(2023年11月)の銀座コインオークションで NGC-MS62が出品されハンマープライス130万円(落札者の支払額は約151万円)で落札されています。MS63以上はなかなか出てきませんが、今年4月(2023年4月)のオークションワールドでPCGS-MS64がハンマープライス400万円(総支払額444万円)でした、それ以外ではここ一年、店主はMS63以上を見ていません。
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