1890年代に入るとアメリカ経済の発展の影響もあり、この金貨は毎年100万枚以上のオーダーで発行され続けたので、このコインは今でも多数残っています。特にこの1904年銘は600万枚以上も発行されおり、PCGS社の鑑定総数も20万枚を超えています。
でもこの年銘の標準的な状態はMS62からMS63あたりで、コインのようにMS64+を付ける高状態の個体は多くはありません。PCGSの鑑定分布によりますと、このコインと同じMS64+の鑑定枚数は2,215枚(2024年1月現在)で上位4%以内に入ります。世界を見渡すと残存枚数の多いコインでも、状態の良いものは値上がりする傾向にありますので、この価格なら持っておかれてソンはないはずです。
MS67:3枚
MS66:301枚
MS65:6,596枚
MS64+:2,215枚 ←ココです(上位4%以内)
MS64:42,229枚
MS63:79,877枚
MS62:77,951枚
MS61:17,859枚
MS61以下:6,793枚
さてこのコインについてです。
ご覧のようにウラ/オモテとも目立ったキズや摩耗がなく、かなりの高状態です。この銘柄はオモテの女神さまのホホあたりにキズがあるものが多いですが、本貨はほとんどそれが見えません。またこの銘柄はオモテのフィールドの女神さまの鼻先あたりバッグマーク(注)があるものが大半ですが、本貨にはほとんどありません。
(注)バッグマーク:打ちあがったコインを袋に入れて輸送する際、袋の中でコイン同士がぶつかってできる細かいキズです。
ウラはさらに状態がよく、キズ、スレ、変色などはほとんど見られませんし、摩耗も見られません。オリジナルの輝きも残っており十分に良い状態です。
なお6、7番目の写真のように、本貨はPCGS社のケースに30度ほど回った状態で封入されています。これはケース封入時の不手際によるもので、コインの価値には影響がありません。
PCGS社の価格ガイダンスでは、1904年銘のMS64+は3000ドルとなっています。現在の為替レート(1ドル=145円)で換算すれば、税込み48万円ほどになります。ここのところ金(Gold)の相場は上がっており、足元の価格は1オンス=2000ドル前後です(2024年1月12日現在)、本銘柄の金含有量は1オンスですから、地金価格だけで税込み32万円近くになる計算です。
アメリカのコインは長い間下落が続いていましたが、2019年を底に反転傾向が見えます。以下はPCGS社が集計する「アメリカの一般的な金貨指数=Generic Gold Coin Index」の10年間のグラフです。ご覧のように2019年以降はドルベースでも上昇傾向にありますが、2022年以降進んだ円安傾向により、足元の円建て価格はさらに上昇していると思います。
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