状態:PCGS-PR63(プルーフ/未使用)
アメリカでは1840年から1873年までの34年間、女神の座像が描かれた(シーティッド・リバティ=Seated Liberty)と呼ばれる1ドル銀貨を発行しました。この時代はアメリカ経済の規模がまだ小さかったため発行枚数は少なく、毎年数万枚から多い年でも110万枚ほどにすぎません。一方でごくわずかながら贈呈用のプルーフコインも造っていて、本貨もその一枚です。なお各年に発行されたプルーフ貨の枚数は以下の通りです。
・1858年:210枚
・1859年:800枚
・1860年:1,330枚
・1861年:1,000枚
・1862年:550枚
・1863年:460枚
・1864年:470枚
・1865年:600枚
・1866年:725枚
・1867年:625枚
・1868年:600枚
・1869年:600枚 ←本貨はココです
・1870年:1,000枚
・1871年:960枚
・1872年:950枚
・1873年:600枚
上記のように本貨1869年のプルーフ貨は600枚しか発行されていません。
さてこのコインについてです。
ご覧のようにオモテ/ウラとも暗色のトーンが乗っており、正面から見ると暗いグレーに見えますが、光の当て方を変えるとレインボーのトーンがきれいに見えてきます。オモテは3時から6時の周辺部分がオレンジ系ですが、それ以外の部分は濃いブルー系のトーンが乗っています、摩耗やキズ、スレなどはほとんど見えません。
ウラも同様で暗色系のトーンが乗っており、コインの周辺部分はオレンジ系ですが、中央あたりは暗いブルー系のトーンです。オモテ同様、摩耗やスレ、キズなどほとんど見当たりませんが、一点ご注意いただきたいのはウラ面にできたケースの擦りキズです。7番目や9番目の写真をみるとスリキズのような線がいくつか見えますが、これはケースにできたキズでコイン本体のものではありません(10番目の写真はそのキズを拡大して撮ったものです)。ケースにキズがあるので少しお安くさせていただきました。
なおPCGS社の本貨(1869年銘のPCGS-PR63)の価格ガイダンスは4500ドルですから、日本円では73万円(1ドル148円で計算/10%の消費税込み)ほどです。同社による鑑定分布は以下ご参照ください。
PR67:1枚
PR66:8枚
PR65:17枚
PR64:58枚
PR63:52枚 ←ココです
PR62:34枚
PR61:33枚
PR58以下:13枚(数字なしDetail鑑定の数は不明)
アメリカのレアコインは1980年代に急騰し、その後1994年まで下げ続けましたが、それ以降は30年間近くもボックス圏内にとどまります。この間ヨーロッパのレアコイン相場はずいぶんと値上がりましたので、現在のアメリカのレアコインは割安感があると店主は思います。
下のグラフはPCGS社が開示しているアメリカの「プルーフコイン指数」です。この指数はアメリカのレアなプルーフコインのオークション価格を指数化したもので、上のグラフは足元10年間の推移、下のグラフは3年間の推移です。上記のようにアメリカコインは30年近くもボックス圏にありましたが、ご覧のように特に希少性が高いコインは2020年の末に底入れし、急速に上昇しはじめています。それでも長い時間軸で見れば1989年時点の相場の1/3ほどの水準にすぎません。この間のアメリカ株(NYダウ)の上昇率は11倍ほどになっていますので、明らかにアメリカのレアコインに割安感があります。世界の傾向をみると本貨のように発送枚数が少ないもの、残存数が少ないものは値を上げています。
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