オモテ面はカルロ・フェリーチェの肖像、ウラ面はサヴォイ家の紋章です。クラウスのカタログ(Standard Catalog of World Coins 9th Edition)によりますと、本貨の価格ガイダンスはEF40クラスで2750ドル、MS60で5000ドルとなっています。
なおこの銘柄(KM-123-1)は1824年からカルロ・フェリーチェが亡くなる1831年まで発行されました。以下は年ごとの発行枚数です。
・1824年(5,919枚)
・1825年(13,728枚)
・1826年(75,957枚)
・1827年(38,947枚) ←ココです
・1828年(22,504枚)
・1830年(5,972枚)
・1831年(740枚)
合計163,293枚で決して多くはありません。
なお同じデザインでカルロ・フェリーチェの80リレは、もう一種(KM-123.2)発行されています、両者の違いはミントマーク(鋳造所の刻印)で、本銘柄KM-123.1のミントマークはタカで、KM-123.2のほうはイカリです。両者の発行枚数や相場には差がありません。
さてこのコインについてです。
オモテ/ウラとも素晴らしい輝きで、200年も前に作られたとは思えません、オモテのフィールドや肖像部分とも状態はよく、スレ、キズ、摩耗はほとんど見えません。ウラ面の紋章やフィールドも素晴らしい状態です。なお本年銘(1927年銘)は、NGC社によって以下の通り鑑定されています。
MS62+:1枚
MS61:3枚 ←ココです(準最高鑑定)
AU58:13枚
AU55:14枚
AU53以下:15枚(8枚の数字なしDetail鑑定を含む)
また上記のように本銘柄には2種のミントマークがあり、NGCによってすべての年号トータルで556枚鑑定されていますので、内訳を以下ご参照ください。
MS64:3枚
MS63:5枚
MS62:14枚
MS61:27枚 ←ココです(上位9%以内)
MS60:4枚
AU58:143枚
AU55:137枚
AU53以下:223枚(122枚の数字なしDetail鑑定を含む)
ご覧のように、全ての年銘あわせても本貨はかなりの高状態です。実際に市場に出てくるこの銘柄をみるとその大半はAUどまり、本貨のようにMS鑑定の個体はめったに出てきません。この時代の大型金貨にしては値も張りませんし、カタログ評価に比べても安値に放置されていると店主は思います。
なお本貨の重さは約25.8グラム、金の品位は90%ですので、本貨には約23.2グラムの金が含まれています。本日(2023年11月24日)現在の金価格はグラムあたり約10,600円ですから、地金だけでは約24.5万円(税込み)の価値があります。
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